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作品情報
監督・脚本: 安田淳一
主演: 山口馬木也(高坂新左衛門役)
共演: 冨家ノリマサ、沙倉ゆうの、峰蘭太郎 ほか
上映時間: 131分
ジャンル: コメディ/時代劇/SF
製作・配給: 未来映画社、ギャガ
公開日: 2024年8月17日
あらすじ
映画『侍タイムスリッパー』は、幕末の会津藩士・高坂新左衛門が、長州藩士との戦いの最中に落雷に遭い、現代の時代劇撮影所へとタイムスリップしてしまう物語です。目覚めた新左衛門は、江戸幕府がすでに滅びたことを知り愕然としますが、周囲の人々の温かさに触れ、少しずつ現代社会に適応していきます。自らの剣の腕を活かし、「斬られ役」として新たな人生を歩み始める彼の姿を、ユーモアと感動を交えて描いています。本作は、時代劇への愛と現代社会とのギャップを巧みに融合させた、心温まる作品です
感想(ネタバレ有
単館上映から全国100館以上の上映に拡大した作品ということで気になっていたので鑑賞。
まずこの映画、監督の本業が米農家なのに脚本、原作、撮影、照明、編集・VFX等も全てこなしているという訳の分からないことになってます。 監督すごすぎるでしょ。。
スタッフも10名程度の少人数ということで低予算のいわゆるインディーズ映画という括りになる本作ですが、とてもそうは思えない丁寧な作りと面白い脚本で最後まで楽しく見ることができました。 画作りもインディーズらしからぬしっかりとして安定感あるものになっていて、安っぽいB級感は全くありません。 キャストも全員ちゃんとハマっていて、特に主役の山口馬木也はいかにも侍らしい無骨で不器用な印象がぴったりで、侍がタイムスリップしてきたという面白設定なのに本当にこうなるんじゃないかとリアルに感じさせる素晴らしい演技だったと思います。
ヒロインの沙倉ゆうのという俳優さんは知らなかったんですが、映画中の印象は30代前半くらいかな?と思ったらなんと45歳!? 若い!! 劇中で終始敬語で喋る知性的なブレーキ役の助監督という立ち位置でしたが、実際の映画撮影上でも助監督スタッフとして動いていたとか。 インディーズ映画ならではの関わり方という感じでしょうか。
この映画の後半までは割とコミカル色を感じる展開が多いですが、後半のもう一人の侍が出てきてからは割とシリアスになっていくので前半とはまた違った空気感の流れる映画になります。 そこまたこの映画の良い所だと見終わってから思いました。
5万回切られた男として有名な福本清三が主人公の「太秦ライムライト」へのオマージュもあり、ニヤリとしてしまいました。
最後どうたたむのかと思ってましたがハッピーエンドで良かったです。 しかも最後の最後でまた来るのか!という流れには笑いました。
「カメラを止めるな!」に感化されて作り始めたということでしたが個人的にはこちらの方が面白かったです。
派手さはないものの全員演技がうまくてぐいぐい引き込まれました。評判通りの面白い映画だったので見てよかったです。